
← コラムメニューに戻る
NO・1 OBからの突然の電話
ある日の夕方、教え子から電話があった。
監督 今度、俺少年野球のコーチをたのまれてん。
ながいこと野球はやってきたから、ノックぐらいは出来るけど、どない、教えたらええんか、ようわかれへんねん、なんとかしてなー。
かいつまんで言えば、このような電話であった。
オー・オー・お前もそんな年になったんか?そら、俺も年とるはずや。
そやなー 一番手っ取り早く、強いチームにしたかったら、選手をど突き倒して猛ノックをすることやなー これが一番の近道や。
(それは、30年前のあんたやないか。ヨウユウワ)
そやけど、こんな30年も前の練習方法でやったら、お前の子供も選手も100%みんなやめるで。小学生を教えるのんが、一番むずかしんやで。その点P・Lの監督なんかは楽勝や。なんせ、1教えたら10まで理解できる連中ばっかり揃てるからなー。
そやなー、まず、選手に信頼されることや、もっと平たく言えば、好かれることや。
好かれる事とは、選手にヨイショすることと違うで。全ての選手を平等にすることや。
こんな話があるんや。“正しい指導をやった、信頼されてない指導者よりも間違った教え方をやった、好かれているコーチの方が選手は上手になるてな。“
俺がお前に言えるのは、たった一つだけや、このことさえ理解して、実行できたら少年野球の指導者として80%とは合格やと思う。
これは、俺が指導者講習会に3回連続参加した中で一番印象に残っている言葉や。
大阪大学の松尾先生が、青少年のトレーニング論の中で教えてくれはった
player span (プレヤースパン)という言葉やった。
まず、
player とはプレーする人、すなわち選手のことや、
span とは期間という意味や、すなわち
『今指導している選手を、彼らのplayer span全体にわたって指導を任されている、という考えに基づいて現在の指導を行うこと。』
まあ、こうゆうことや。
(なんのこっちゃ、解ったようでわからへんがな。)
簡単に説明するとやな、チームの6年生の中にA君・B君・C君とまあ何人かいるとする。
例えば、C君は甲子園出場の強豪高校でもレュギラーになれる、技術・素質があるとしたら、C君が中学・高校と野球を続ける期間は、指導者自身が責任を持つという考えの下で、今6年生のこの時期に何を教え、どのように指導すべきかを考えることや。
間違っても、目先の勝ち負けだけを追いかけたらアカン。
しかし、これを実行する為には2年に1度ぐらいは大会で決勝戦に進出するレベルのチームを作ることも大事なことや。
負けてばっかりのチームでは、誰も相手にしてくれない。
このへんが、少年野球の難しいところや。
石の上にも3年 3年計画で好チームを作てや。

← コラムメニューに戻る